チームの完成-ちはやふる第十六首感想

ちはやふる第十六首の感想です。
北央戦スタート~千早覚醒、の回。

この回は書きたいことがたくさん。
ストーリー面1つ、演出面2つ。



◆チームの完成◆


・チームの完成

3巻でずっとテーマになってきた「チーム」の意味。
今回~次回がその解答編といったところでしょうか。

まずはオーダー決め。
準決勝までは相手チームのオーダーに対して
弱い2人をどこに配置すれば勝率が上がるかという決め方をしていた。
決勝ではそれぞれの個性(全体が見れる、早く勝てる等)を考慮して
瑞沢が100%の力を出す決め方をしている。

これまでのオーダーは仲間をちゃんと見ていなかったんですよね。
あくまで「駒」としてしか見ていなかった。
決勝のオーダーはそれぞれの個性を見つめ
仲間を仲間として意識した決め方になっている。
これが1つのチームとしての成長。


もう1つは声の掛け合い。
特に机くんの一言ですね。

机くんはせっかく戻ってきてくれたけど
北央相手には戦力として期待できないんですよね(笑)
でも机くんがいなければ勝てなかった。
一番弱いにもかかわらず相手陣から一枚抜いてみせて
千早に喝を入れる。
精神的にダメージを受けていた千早がこれで目覚める。
まさにチームの力。

この机くんの一言~千早が覚醒する最後のページまでの展開は
グッときますねー。
個人戦だったときには見られなかった相乗効果。
なかなかうまく1つになれなかったチームがついに完成した瞬間。
千早が「チームの一枚を取りに行く」と決意する最終ページは
目頭が熱くなりました。

ちなみに、その直前のページで
千早が気合いを入れ直そうとして深呼吸をしてるんですが
これってもしかして、準決勝で太一が言ったアドバイス
「息をするだけで勝てる」
ってやつを実行したんでしょうか。
いま書きながら気づいたんですが多分そうですよね?
そう思って読んでみると、このシーンは
仲間に支えられている感じがより深くなりますね。



・キャラ立てのうまさ

この第十六首では北央が新キャラがたくさん登場します。
ヒョロくんと須藤くんは既に登場してるからいいといて
持田先生、甘糟くん、ほか2人(竜ヶ崎くん、宅間くん)
合計4人。

4人も一気に登場するとキャラ立てが大変なはずなんですが
意外とすぐにキャラが立っていると思うんです。

持田先生は「焼肉のにおいがする」という須藤くんの一言で
間が抜けてて人がよさそうな印象ができあがる。

甘糟くんは大会まで来てゲームしてる緊張感のなさと
口調や見た目からガキっぽい性格だと分かる。

他の2人はだいぶ脇役なんだけど一応キャラが立ててあって
丸刈りのいかついタイプ(竜ヶ崎くん)と
眼鏡の知的なタイプ(宅間くん)。
これだけだと印象は強くないんですけど
対戦相手(瑞沢)との対比でうまくキャラ付けされてる。
かなちゃんVS竜ヶ崎くんがデコボコ対決
机くんVS宅間くんが眼鏡くん対決

少ない情報でキャラ立てがされてるから
話のテンポが損なわれないんですよね。
『ちはやふる』のテンポのよさはこういうさりげないテクニックに
支えられてるのかもしれないですねー。




・須藤くんの取りのシーン

このブログでは何度か
『ちはやふる』のかるたの画にはスピード感がない
その分、コマ割でスピード感を出している
と書いています。
(感情移入とテンポ-ちはやふる3巻感想
 http://chihaya-blog.at.webry.info/201006/article_19.html


その例外がこのシーン。


画像



画を単体で見ても速さが伝わってくる。
速すぎて見えないような描写をしてるのは
既刊9巻まででここだけだと思います。
須藤くんは高校生でトップクラスの強さであり
一般の大会でも上位に食い込めるほどの実力者。
それをこの画で表しているんでしょうね。

作者はこういうスピード感のある画を書けるのに
多用しないということは何かの意図があるんでしょうかね。

考えられる理由としては

1 絵が崩れるのがイヤ

スピード感のある画を描くには絵を崩さないといけない。
ドラゴンボールで悟空が敵の攻撃をシュンと避けるシーンを
思い浮かべてもらえれば分かると思うんですが
そのときの画は体が2つ3つにブレていたり
横線がゴニョゴニョってなってるだけだったりしますよね。
この点、少女漫画はキレイな絵が売りであることが多いので
作者はあくまで写実的な絵にこだわって
スピード感を犠牲にしている可能性が考えられます。

2 インフレ対策

この先、A級選手同士の試合が増えていったときに
本当に速い選手を描くときや迫力のある試合を描くときのために
出し惜しみしている可能性。

またまたドラゴンボールをイメージしてください。
ドラゴンボールの負の側面=インフレです。
(インフレとは、話が進むに連れて周りがどんどんつよくなること)
ドラゴンボールのインフレに関しては
主にストーリー面での弊害が指摘されていますが
演出面でも弊害があると思うのです。
前よりもパワーが強くなったことは
「気」の大きさで表せるので(一応)問題ないんですが
スピードが速くなったことの表現は難しいです。
ある程度まで画を崩してしまうとそれ以上崩しようがない状態が
来てしまうからです。

このあたりの事情を考えると、後々のインフレを考慮して
後半まで画を崩す演出方法を控えている可能性も考えられます。

(なお、インフレに関しては別で記事を書きました。
 戦力のインフレについてのメモ)

個人的には、この須藤くんの画は迫力があって好きなので
今後、後半向けて徐々にこういう画が増えてくといいなぁと
期待してます。




あと、この回は太一と原田先生のからみがありましたね!
この2人がからむと必ず感動してしまいます。


~チームの完成~




漫画『ちはやふる』

 1巻~4巻(一首~二十三首) 各話感想 目次

 5巻~8巻(二十四首~四十七首) 各話感想 目次

 9巻~12巻(四十八首~六十八首) 各話感想 目次


アニメ『ちはやふる』

 アニメ『ちはやふる』 各回感想 目次



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