『幽麗塔』第61幕感想

スペリオール連載中の幽麗塔が
今回ものすごく面白かったので
ひっさびさに感想書きます。

人間ドラマとミステリー、ともに
ここまでの伏線が一気に回収された回でした。


人間ドラマの面では
天野、沙都子、山科の3人がテツオに対する想いを
それぞれ吐露します。

ここでまず面白いのが、3人の惚れ方の対比。


天野:女としてのテツオに惚れている

沙都子:男としてのテツオに惚れている

山科:「男」でも「女」でもない、
男になりきれない(=少年的な)部分に惚れている


このように、3人の惚れている部分が
明確に分けて描かれているのです。


そしてテツオは
身体は女
本人の願望は男
実際の精神は少年
です。

3人の誰もがテツオの実際に持っている部分に惚れています。
しかし、テツオは誰と結ばれたとしても、満ち足りることはない。
そんな構造になっています。

この3者3様の構造が良かった。


そして、報われない3人の中で一歩踏み出したのが天野。
天野はテツオが男としての誇りを捨ててはだめだと言い放ちます。

自らが惚れているのは女性としてのテツオであるのに
テツオは男でいるべきだと言っていて
自分の想いとは矛盾する解答を出したのです。

これまで他人のあり方に対して意見を述べることなどなかった天野が
世間から見ると異質な存在であるテツオについて
異質でいていいんだ、むしろそうあるべきなんだ、と
断言したのです。
ヘタレの天野がここまで成長したことに胸が熱くなりました。


他方、これだけ人から想われているテツオですが
テツオ自身が男が好きなのか女が好きなのか
イマイチはっきりしません。
このあたりがラストに向けての鍵になってくるかもしれません。



ミステリー部分は
時計の謎が回収されましたね。

驚くようなトリックではなかったけれど
納得のいく伏線回収の仕方だったので
ミステリー好きとしては満足でした。

ただ気になるのは、今回のタイトルは『間違い』。
沙都子が間違った推理をしたことを
タイトルにしたとは考えづらく
そうすると天野の出した答えが間違いなのか。
次号が気になるところです。

ミステリーといえば、最大の謎、
死番虫が誰かという問題が残っていますが、
陣羽笛警部が怪しいと思っています。



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この記事へのコメント

死番虫
2014年07月02日 21:30
>陣羽笛警部が怪しい
大当たり!
2014年07月17日 17:23
死番虫さん、ありがとうございます!

そのニックネームの方から言われると、なんだか不思議な気持ちになります(笑)
南部
2014年10月31日 19:26
推理小説の定番で犯人は最初からいるパターンが、ありますが私はそれを裏切ってくれる事を期待しつつ読んでいます
(死番虫の正体は意外でしたが)
神場@管理人
2014年10月31日 21:50
南部さん、コメントありがとうございます!

犯人は最初からいる人、の法則を破りながら読者の納得を得るには作者にかなりのテクニックが必要ですが、たまにそういう作品にめぐりあいたくなりますね。


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