呪いの消し方-ちはやふる第141首感想

ちはやふる141首の感想です。

27巻全体の感想がまだ途中ですが、
ちょっと寄り道して
141首について突っ込んで書いてみます。

例のごとく少しずつこのページに書き足す形で
更新していきます。

4/29 タイトルと脱字修正(一番大事な部分が抜けてた 汗)

5/12 記事序盤追加

5/27 記事中盤追加




◆呪いの消し方◆


・はじめに

141首は太一の物語が大きく動きました。

・・・ってそんな一言では表せないくらい
太一の物語は劇的に動きました。

141首の太一の物語をざっくり説明すると
次のようになります。

へこみにへこんでいる太一が、負の連鎖に陥った上、自分の見たくなかった部分を指摘されて、人生最大級のどん底まで落ちたけれども、同時に大切なものに気づかされて、発想を転換することによって、ようやく復活への一歩を踏み出す。

読みづらくてすいません(笑)
ざっくりでこのボリュームなんです。

なにが言いたいかというと
本来1巻まるまる使ってようやく描けるレベルの話を
とことんまで凝縮して1話に収めてしまっている
ということです。

これだけの物語をたった1話に収めた作者の手際に
驚かされるとともに、
ドラマの宝庫をあっさりと手放してしまったことに
少しもったいなさも感じます。
(この点については、最後にもう一度書きます)

では、ざっくり説明した物語の流れを
分解して見ていきます。



・言葉に宿る力

周防名人が金八先生よろしく
生徒たちにメッセージを投げかけます。

青春という文字の中には月日がある
という話からスタートして
言葉には力があることを忘れないでほしい
と締めました。

このメッセージ、
ピンと来ていない生徒が多いなか、
太一の心には響いているはずです。

なぜなら、以前、周防名人に対して
試合で曲がらなかったやつを言葉で曲げないでくれ
と抗議しているとおり
千早が周防名人の言葉の力で折れそうになるのを
目の当たりにしているからです。

それにそもそも百人一首という千年も語り継がれてきた言葉に
毎日接してもいますし。

明示的に描かれてはいませんが、
太一はこのメッセージを
まずは額面どおりそのままの意味で受け入れたと思うのです。



・かるた部休部以降の苦悩

その上で太一は、周防名人のメッセージから
言葉には力がある⇒言葉は呪いになる
と思い至ります。

原田先生にかけられた言葉が呪いだというのです。

周防名人のメッセージを受けて
原田先生の名言を呪い認定する太一に
読者的には唐突な印象を受けるところですが、
ここは逆に、太一が休部以降、原田先生の名言に
悩まされてきていたのだと補完すればよいのだと考えました。

つまり、これまた明示的に描かれていないけれど、
太一は受験勉強を頑張りつつも
これまで支えにしてきた原田先生の言葉が
どうしても引っかかってしまい
かるたをやっていない自分に罪悪感のようなものを
ことあるごとに感じていたのではないかと思うのです。

毎日、ものすごく集中して勉強をしているのに
ふとした瞬間に原田先生の真剣な顔が、声が、
青春全部懸けたのか?と問いただしてくる。

自分が逃げているということを突きつけられる。

そんな毎日だったからこそ
周防名人のメッセージを聞いて
すぐに「呪い」をイメージしたのでしょう。



・かるたが好きじゃない!

原田先生の言葉が呪いになっていると気付いた太一が
さらに衝撃的なことを認識します。

自分は、かるたが好きじゃない――

曲がりなりにもかるたに青春懸けてきた。
でも、かるたが好きではない。

そうするとこの懸けてきた2年間は
いったい何だったんだろう?

好きでもないのに辛いことを続けてきたとなると、
一言でいえばそれは苦行です。

かるたが好きじゃないと認識した瞬間、
この2年間の頑張りは、
苦行にすぎなかったことになってしまうのです。
これまでやってきたことが
不毛な思い出になってしまったわけです。

が、太一のどん底はこれだけで終わりません。


太一は高校生活において
かけがいのない仲間と出会いました。

瑞沢かるた部のメンバー
白波会の人たち
それから他校のライバルたち。

本気でぶつかり合った、真の仲間といってよいでしょう。

そんな仲間たちと太一はかるたでつながっていました。
裏を返せば、かるたが好きじゃないのであれば
つながっている理由・資格がなくなります。

かるたが好きじゃないと認識した瞬間、
かけがえのない仲間たちとの接点がなくなってしまったのです。

太一はこのように
大切な思い出・経験(過去)も
今後をともにする仲間(未来)も失いました。



・絶望

太一は今までかるたが好きかどうか
(おそらく無意識的に)考えるのを避けてきました。

ちはやふるを全巻読み返してもらえれば分かりますが、
太一がかるたのことをどう思っているか
見事に避けて描かれています(1か所例外あり)。

太一は心のその部分に蓋をしてきたのでしょうが
周防名人の一言でついにこじ開けられました。
中から出てきたものは絶望だったというわけです。


ただでさえ、長年片思いしてきた女の子にコクって失敗し
恩師の言葉が呪いになってしまって苦しんでいたところへ
これまでの高校生活が苦行でしかなかったと知り
仲間とのつながりも切れてしまったと分かった。

もう生きてる価値が見いだせないレベルに絶望的状況です。


141首、太一の絶望はほんの数コマしか描かれていませんが
一生立ち直れなくなるレベルの絶望です。



・ここまでで言いたかったこと



以下、随時更新



漫画『ちはやふる』

 1巻~4巻(一首~二十三首) 各話感想 目次

 5巻~8巻(二十四首~四十七首) 各話感想 目次

 9巻~12巻(四十八首~六十八首) 各話感想 目次


アニメ『ちはやふる』

 アニメ『ちはやふる』 各回感想 目次



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この記事へのコメント

桃李
2015年07月10日 13:54
こんにちは
相変わらず文章さえていますね 素敵です
 ちはやふる・・・ついに映画化ですね!!
どんな感じになるか楽しみです
 最近知ったことなんですが、実はちはやふるの編集担当者さんの近親の方が私の親友の職場の方だったんです
世の中狭いですね!いろいろ話を聞いてニコニコしてしまいました
 ちなみにその友人の旦那様、「新」に似ているんですよ~
 今後も楽しみにしています
2015年07月20日 01:08
桃李さん、こんにちは!

ちはやふるの映画はどうもコケそうな匂いがしますが、どうなるんでしょうね。

たしか桃李さんは末次先生と出身大学が一緒でしたよね(旦那さんでしたっけ)。さらに編集さんとも間接的に繋がりがあるんですねー。そういうことがあると、作品への思い入れも強くなりますよね!


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